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難病患者のAI活用術|検査結果の読み方から薬の疑問まで、生成AIを「賢い友人」として使う方法

難病患者のAI活用術|検査結果の読み方から薬の疑問まで、生成AIを「賢い友人」として使う方法 - のアイキャッチ画像 療養の工夫・ノート

「先生に聞くほどじゃないけど、ちょっと気になること」って、病院に通っていると意外とたくさんありませんか?

診察室での時間は限られているし、頭に浮かんだ疑問をひとつひとつゆっくり聞ける雰囲気でもないことが多いですよね。

例えば、

「検査自体は異常なしという診断だけど、結果用紙の各項目の意味を教えてほしい」

「新しく処方された薬の詳細やジェネリックの有無、服用中に気を付けるポイントなどが知りたい」

などです。

そういうとき、私はChatGPTやGemini、Claudeなどの生成AIを利用しています。

AIと聞くとハードルが高く思われるかもしれませんが、ブラウザでアクセスしたりアプリをダウンロードするだけで今日からすぐに試せますし、無料プランでも十分使えます。

今回は、私が実際にやっているAI活用事例をいくつかご紹介します。

診察の時間が足りないと感じていたり、雰囲気的に直接聞きづらくて毎回モヤモヤしたまま帰っている方などの参考になれば幸いです。

※本記事は筆者の実体験と一般的な情報をもとに執筆したものです。症状や治療については医療機関にご相談ください。

結論:この記事で分かること

この記事の内容をまとめると、以下のようになります。

  • 生成AIは「診断や治療の判断」ではなく「情報整理・疑問解消」に向いている
  • 検査結果の画像を送るだけで、各項目の意味を説明してもらえる
  • 処方薬の基礎情報、注意食品、ジェネリックの有無なども調べられる
  • 受診前の「質問リスト」づくりや「症状の言語化」にも使える
  • 間違った回答もあるため、あくまで「参考」として使うことが大切

それでは、ひとつずつ詳しく解説していきます。

生成AIは「医療関係の知人」ぐらいの距離感で付き合う

まずはじめに、このテーマにおいて一番大切なことをお伝えしたいのですが、生成AIを「医師の代わり」に使おうとするのはおすすめしません。

診断・治療方針・薬の変更判断は、必ず医療機関に相談する必要があります。これは大前提です。

AIには医療関係の仕事をしている親戚や友人に相談するような距離感がちょうど良く、

  • 最近○○の症状があるんだけど、受診するなら何科がいいかな?
  • こないだ処方された薬なんだけど、ジェネリックはある?
  • こういう症状なんだけど、何て説明したら先生に伝わりやすい?

など、ちょっとした疑問を気軽に話しかけるイメージです。

人間と違ってAIは24時間いつでも相談できますし、抽象的な言い方でも、どんな些細なことでも、嫌な顔をせずに何度でも丁寧に答えてくれます。

ただし、「AIはもっともらしい嘘をつくことがある」という点は常に念頭に置いておく必要があります。内容が正しいかどうかを自分でも確認する習慣をつけることが重要です。

AIが得意なこと・苦手なこと

AIはどんな分野にも詳しくて万能だと思いがちですが、私の経験上、AIにも得意・不得意があります。

得意なこと苦手なこと・向かないこと
検査項目の意味・読み方の説明自分の状態の診断・判断
薬の基礎情報の整理最新の医療ガイドラインの確認(情報が古いことがある)
医療用語を平易な言葉に言い換える希少(稀少)疾患の詳細情報(精度が低いことがある)
受診前の質問リストの整理薬の飲み合わせの最終判断
症状の記録・文章化のサポート緊急性の判断(「すぐ病院へ」が必要な状況かどうか)

上の表のように、AIは「判断」ではなく「情報収集や整理」の分野で相談すると、療養生活の良いパートナーとして使うことができると感じています。

例えば、検査結果の数字に対する評価(状態の良し悪しなど)は「判断」ですが、検査項目の解説は「事実・情報の整理」にあたります。

また、薬の副作用が出たときの増量・減量に関する相談は「判断」ですが、服用中に併用NGな食品やジェネリックの有無などは「事実・情報の整理」になります。

このように「判断」が必要な分野に関しては、医師や薬剤師などの専門家に相談するようにしましょう。

活用事例1:検査結果レポートの項目を解説してもらう

「検査を受けたけど、結果用紙に書いてある言葉が難しくてよく分からない」という経験をしたことがある方は多いと思います。

私自身、先日受けた腹部エコー検査のあとにもらった結果レポートを見て、

「HV走行って何?」

「SOLってどういう意味?」

などの疑問がたくさん浮かびましたが、その場では先生に確認できませんでした。

そういうとき、検査結果を写真に撮ってAIに送ると、各項目の意味を説明してもらえます。

やり方はシンプルで、「これは先日受けた○○検査の結果です。各項目の意味を解説してください」と一言添えて画像を送るだけです。

実際にClaudeに送ってみる

実際の検査結果用紙の写真
腹部エコーのレポート

この画像は、私が受けた「腹部エコー検査」の結果レポートです。

検査自体の結果については診察時に主治医から「異常なし」と診断されましたが、家に帰って結果用紙を見てみると、聞いたことのない項目ばかり。

どの項目が何の指標なのか、一般人には想像すらできません。

そこで、ClaudeというAIにこの画像を添えて「各項目の解説をしてください」と送ってみました。

エコー検査結果のAI解説(実例)

すると、このような説明が返ってきました。
※一部抜粋


検査の全体結果について

所見の冒頭にある「描出範囲内に異常な所見は確認できませんでした」という一文は、エコー(超音波)で観察できた範囲に明らかな異常は見つからなかった、ということを意味しています。

【肝臓】(抜粋)

  • HV走行:整 / HVは「肝静脈(Hepatic Vein)」の略です。肝静脈の走り方が正常であることを示しています。
  • 肝腎コントラスト:なし / 肝臓と腎臓の明るさの差がないことを示しています。脂肪肝があると肝臓が腎臓より明るく映るとされており、「なし」は正常所見です。
  • SOL:なし / SOLは「Space Occupying Lesion(占拠性病変)」の略です。腫瘍・嚢胞・血腫など、異常な構造物がないことを意味しています。

【胆嚢】(抜粋)

  • CBD拡張:なし 3.5mm / CBDは「総胆管(Common Bile Duct)」の略で、胆汁の通り道のことです。3.5mmという数値が計測されており、通常の範囲内(目安として6〜8mm以下が正常とされることが多いようです)として「拡張なし」と判定されています。

このように、専門用語だらけのレポートでも、AIに質問することでかなりの部分を理解できます。

「自分の数値はどうなの?問題があるの?」という判断は主治医に確認すべきですが、「そもそもこの項目が何を見ているのか」を把握しておくことで、自分の病気や検査への理解度がぐっと深まります。

せっかくお金を払って受けた検査ですから、きちんと内容を理解して納得したいですよね。

活用事例2:処方された薬について調べる

いつも飲んでいる薬や新しく処方された薬について、

「これって何の成分で、どんな作用なの?」

「食事で気をつけることはある?」

「薬価が高いけど、ジェネリックはないの?」

などの疑問が浮かぶことがあるかと思います。

製薬会社のHPなどで公開されている添付文書は情報量が多くて読みにくいですし、専門用語ばかりでなかなか頭に入ってきませんよね。

そういうときに、AIに薬の名前を伝えるだけで以下のような情報を整理してもらえます。

  • 薬の一般名・分類・作用の概要
  • 代表的な副作用
  • 服用中に注意すべき食品(グレープフルーツ、アルコールなど)
  • ジェネリック医薬品の有無
  • 他の薬との相互作用の目安

私は家族性地中海熱の治療薬であるコルヒチンを服用していますが、最初に処方されたときに「グレープフルーツはNG」という情報を薬剤師さんから聞きました。

コルヒチンの注意事項

その後、家に帰って「なぜNGなの?」「少量でもダメ?」「他に気をつけるべき食品は?」など次々と疑問が浮かんできたため、まずはAIに質問しました。

詳しい話は次の受診時に主治医と薬剤師にも確認しましたが、ひとまず「注意すべき事項」について知れたのはAIのおかげでした。

※薬の飲み合わせや変更の判断は必ず医師・薬剤師に確認してください。

活用事例3:受診前に「質問リスト」を整理してもらう

「あれこれ聞きたいことがあったはずなのに、診察室に入ると忘れる」という経験をしたことはないでしょうか。私は何度もあります。

そういうときに役立つのが、「受診前にAIと一緒に質問リストを整理する」という使い方です。

やり方は簡単で、「来週、○○科の受診があります。最近こんな症状がありました。こんな数値の変化がありました。先生に確認しておくべきことをリストアップしてください」というように状況を伝えると、聞くべき質問の候補を挙げてもらえます。

これは「AIに診断させる」のではなく、「自分の頭の中を整理する」ための使い方です。

AIに出してもらった案を見ながら「そう、これが聞きたかった」「これは関係ないから外そう」と選別して、最終的に自分の言葉でメモをまとめる、というプロセスが効果的です。

活用事例4:自分の症状パターンを言語化・整理する

難病・持病の療養生活では、自分の症状の変化を継続的に記録して主治医に正確に伝えることが大切ですが、「うまく言葉にできない」と感じる場面も多いと思います。

そういうときに、

「最近こんな感じの症状があってしんどい」

「だいたい◯日ぐらい続いている」

とざっくりした表現で話しかけると、

「例えば朝に症状が出やすいとか、夜になると症状が強く出るとかはありますか?」

「それは○○のような状態と表現できそうですが、どうでしょうか?」

といった形で整理してくれます。

こうした会話を重ねていくことで、自分の症状や傾向を客観的に分析し、伝わりやすい言葉にまとめてくれます。

診察室で「なんか調子が悪いんです」と言うよりも、「倦怠感と関節痛が◯日継続していて、特に夕方以降に強くなる傾向があります。熱を測っても普段と変わりませんが、痛み止めを飲むと体は楽になります。」などと具体的に言えた方が、医師にとっても情報として有用です。


また、症状の記録をAIに送って「この1ヶ月の記録で、特徴的なパターンがあれば教えてください」と聞いてみたり、体温を記録したメモを渡して「グラフにしてください」ということも可能です。

あくまで傾向の把握や情報の整理ですが、「そういえば気温の変化と重なっているかも」などの気づきのきっかけになることがあるかもしれません。

アプリと連携できる体温計を使うと記録づくりがスムーズになりますよ。

AIを使うときに気をつけていること

最後に、私が実際に使っていて意識していることをまとめます。

「参考」として使い、「判断」は医師に任せる
AIの回答は、あくまで情報収集・整理のツールです。診断・治療・薬の変更に関わる判断は、必ず主治医や薬剤師に確認する、というルールを自分のなかで決めています。

「もっともらしい間違い」がある前提で使う
生成AIは間違った情報を正しそうな文章で出力することがあり(いわゆるハルシネーション)、希少疾患の情報は特にこの傾向が強いと感じています。重要な情報は、公的機関や医療機関のサイト、主治医への確認でクロスチェックをする習慣をつけると安心です。

個人情報の取り扱いに気をつける
検査結果の画像を送るときは、氏名・生年月日・病院名・診察券番号などの個人情報をあらかじめ隠した状態で送るようにしています。また、各サービスのプライバシーポリシーを確認し、入力した情報がどのように扱われるかを把握しておくことも大切です。

一つのAIだけを信用しすぎない
私はChatGPT、Gemini、Claudeなどを使っていますが、それぞれに得意・不得意がありますし、同じ質問をしても回答が異なる場合もあります。気になる情報は複数のサービスで確認したり、最終的には公的な情報源にあたるとより安心です。

おわりに

生成AIは、難病・持病のある人の「情報整理のパートナー」として使うと、とても便利なツールです。

正直、間違いも時々ありますので信用しすぎてはいけませんが、上手に使えば多くの疑問を24時間いつでも解消できます。

「先生に聞くまでもないけど、ちょっと気になる」というときに、ぜひ試してみてください。

※本記事は筆者の実体験と一般的な情報をもとに執筆したものです。症状や治療については医療機関にご相談ください。

参考リンク:

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