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難病患者は生命保険に入れない?告知義務の注意点と、持病があっても入れる保険の選択肢

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難病と診断されたとき、体調と同じくらい不安になるのがお金の問題です。

私は2024年に指定難病「家族性地中海熱(FMF)」の確定診断を受けましたが、発症時からの気がかりのひとつが生命保険のことでした。

持病があると保険に入れないという話はよく耳にしますが、

「実際のところどうなの?」

「告知はどこまで必要なの?」

「すでに加入している保険はどうなるの?」

など、いざ当事者になってみると多くの疑問が浮かんできます。

実際に調べてみると、保険会社の約款や規約は非常に難解で、特に告知義務については条件などが複雑なため、理解には時間がかかりました。

この記事では、生命保険と告知義務の基本的な仕組みを整理しつつ、実際にどんな選択肢があるのかについても難病患者の視点からまとめています。

同じような境遇の方の参考になれば幸いです。

指定難病医療受給者証と管理手帳の画像

※この記事は筆者の実体験と一般的な情報をもとに執筆しています。保険の専門家ではありませんので、最終的な判断や手続きについては各保険会社や保険代理店へご相談ください。

結論:この記事でわかること

この記事の内容をまとめると、以下のようになります。

  • 生命保険の加入には「告知義務」があり、現在の病状・服薬・通院歴などを正直に申告する必要がある
  • 難病・持病がある場合、一般的な保険への加入が難しくなるケースがある
  • 持病があっても入りやすい保険として「引受基準緩和型」「無選択型」がある
  • 診断前から加入していた保険は、条件によっては継続できる場合がある
  • 共済・団体保険も選択肢のひとつ

それでは、まずは告知義務について詳しく見ていきましょう。

生命保険に加入するとき「告知義務」が発生する

生命保険に新しく加入するとき、申込者は自分の健康状態や病歴について保険会社に正直に申告しなければなりません。これを「告知義務」と言います。

告知義務は保険法および各社の約款に定められたルールで、保険会社が正確にリスクを評価するために必要なものです。虚偽の申告や意図的な隠蔽は「告知義務違反」となり、保険契約の解除・保険金の不払いにつながる可能性があります。

持病を隠して加入しても、いざというときに保障を受けられないリスクがあるため、事実をありのまま告知することがとても重要です。

告知でよく聞かれる項目

保険会社によって異なりますが、一般的な告知書では以下のような内容が確認されます。

項目内容の例
現在の健康状態現在、入院中・通院中かどうか
過去の病歴過去○年以内に、一定期間以上の治療・入院・手術があったか
服薬の有無現在、医師から処方された薬を服用しているか
身体障害の有無一定の障害が残っているか

家族性地中海熱(FMF)のように現在も通院中・服薬中という状態の場合、多くの項目に「はい」と回答することになります。

告知した結果、起こりうる4つのパターン

正直に告知した場合、審査の結果によっては以下のどれかになります。

① 通常どおり加入できる
病気・病歴があっても、保険会社の審査基準を通過できれば通常条件で加入できます。

② 条件付きで加入できる(特別条件)
「保険料の割り増し」「特定の疾病・部位を保障対象から除外する(部位不担保)」などの条件付きで加入できる場合があります。

③ 一定期間の猶予後に保障が始まる
保障の開始を遅らせる条件がつく場合があります。

④ 加入できない(謝絶)
審査基準を満たさず、加入を断られるケースもあります。

なお、審査基準は保険会社によって異なるため、ある会社で断られても他社では加入できることもあるとされています。

告知義務違反はバレる?

「病気を隠しても分からないのでは?」

「調べようがない病気はバレないのでは?」

と思う方もいるかもしれません。

しかし、保険金や給付金を請求すると、保険会社は必要に応じて医療機関への照会提出書類の確認などを行います。その過程で、契約時の告知内容と実際の診療歴に相違があることが判明し、告知義務違反と判断されるケースがあります。

金融庁のHPにも、「入院歴を告知せずに契約し、保険金請求時に告知義務違反を理由として支払いを受けられなかった」という相談事例が紹介されています。

虚偽の申告をすると、最悪の場合、受け取れるはずだった保険金を失う結果を招きますので、告知義務は必ず守るようにしましょう。

難病患者が新たに一般の保険に入るのは難しい?

指定難病と診断された場合、継続的に通院や服薬が続くことから、一般的な生命保険・医療保険への新規加入は難しいことが多いと考えておく必要があります。

というのも、そもそも指定難病とは、

  • 原因が不明
  • 治療方法が確立しておらず完治が困難
  • 長期療養が必要
  • 患者数が一定以下(希少)

などの条件をもとに厚生労働省が定めた病気だからです。

保険会社の審査基準は非公開で、「絶対に入れない」とも「入れる」とも断言できるものではありません。しかし、難病の診断を受けて継続的に治療中という状況は、審査上不利な条件として扱われやすいとされています。

私の持病(FMF)のように日本国内に数百人しかいないとされる希少疾患の場合、保険会社の担当者が病名を聞いたことがない可能性も十分にあり得ます。

そのため、主治医から診療情報提供書などを書いてもらったうえで相談するなど、事前準備をしておくとよりスムーズに進む可能性があります。

それでも選択肢はある|持病がある人向けの保険タイプ

一般的な保険への加入が難しい場合でも、完全に手詰まりというわけではありません。

① 引受基準緩和型保険(限定告知型)

告知の項目数を絞った保険商品です。通常の告知より質問が少なく(多くは3〜5項目程度)、「過去○年以内に入院・手術があったか」「現在、特定の重篤な疾患と診断されているか」などの項目に「いいえ」と答えられれば、加入できる可能性があります。

たとえばオリックス生命の「CURE Support Plus(キュア・サポート・プラス)」では、公式サイトで「持病のある方も入りやすい一生涯保障の医療保険」というキャッチコピーを使用していて、告知項目は以下の3つのみです。(2026年8月現在)

  1. 最近3か月以内に、医師から入院・手術・検査のいずれかをすすめられたことがあるか
  2. 過去2年以内に、病気やケガで入院または手術をうけたことがあるか
  3. 過去5年以内に、がんまたは上皮内新生物・肝硬変・統合失調症・認知症・アルコール依存症で、診察・検査・治療・投薬のいずれかをうけたことがあるか

FMFのように「通院中・服薬中だが入院歴はなく、がんなどの重篤疾患ではない」という状況であれば、1・3の項目は「いいえ」に該当する可能性があります。ただし2項目めの「入院歴」については、診断前後に検査入院や精密検査のための入院があった場合は「はい」に該当します。

私の場合は入院歴がないため2項目めも該当しない可能性がありますが、実際の申込前には必ず各保険会社の告知書を直接確認してください。


引受基準緩和型保険の注意点はこの2つです。

  • 通常の保険よりも保険料が割高になる
  • 加入後一定期間(一般的に1年程度)は給付額が削減されるなど保障に制限がある場合がある(削減期間のない商品も増えているようです)

告知項目が少ないといっても、虚偽の告知は告知義務違反になります。不安な方は複数の保険会社に問い合わせてみることをおすすめします。

② 無選択型保険

健康状態の告知なしで加入できる保険で、引受基準緩和型でも加入できない場合の選択肢です。ただし、その分、条件面での制約が大きくなります。

  • 保険料が引受基準緩和型よりさらに割高
  • 加入から一定期間は給付が受けられない、または給付金額が削減されることがある(ケガは対象になる場合がある)
  • 保険金・給付金の上限額が低め
  • 契約できる年齢の下限が高めに設定されている商品が多い(40歳以上など)

また、無選択型の保険商品は死亡保障を主とするものが多く、医療保険(入院・手術の給付)については、現時点では商品の選択肢が非常に限られています。

引受基準緩和型に加入できるのであれば、保障内容・保険料のバランスからそちらを優先して検討するのが一般的とされています。

③ 共済・団体保険

勤務先や所属している組合・生協などを通じた団体保険・共済も選択肢のひとつです。

団体保険・共済には、一般の保険と比べて以下のような特徴があります。

  • 告知の条件が一般の保険よりゆるく設定されているものがある
  • 保険料が割安になっているケースが多い
  • 加入資格は所属する団体によって異なる(勤務先・職種・地域の生協など)
  • 退職や脱退など、団体を離れると継続できない場合がある

私自身は、FMFの確定診断を受ける前から団体共済に加入していました。診断後に「このまま継続できるのか」と不安になって直接確認したところ、現在の内容での保障は継続できることがわかりました。この経験については、次の段落で詳しく書いています。

難病の診断後に新たに加入しようとすると選択肢は狭まりますが、診断前からすでに加入している共済・保険がある場合は、まず「継続できるか」を確認することが最優先です。

継続できるかどうかは団体・商品によって異なるため、早めに担当窓口へ問い合わせることをおすすめします。

私自身の話:診断前から加入していた共済のこと

診断前から加入していた共済の更新案内

私はFMFの確定診断を受ける前から、「れいんぼーくらぶ(全国役職員共済会)」という団体共済に加入していました。日本生活協同組合連合会が運営する組織で、生協の役職員・組合員向けに提供されている共済制度です。

確定診断後に気になったのが、「診断を受けたことで、今入っている共済はどうなるのか」という点でした。

担当者に直接確認したところ、プランの変更(増額・グレードアップ)はできないが、現在の内容での保障は継続して受けられるという回答でした。増額はできないが減額は可能ということです。(※あくまで私が確認した時の内容です。詳細は必ず直接ご確認ください)

こくみん共済coopが公開しているれいんぼーくらぶのQ&Aでも、「保障内容の変更は更新時のみ、かつ減額のみ可能」と明記されています。つまり、増額や新たな保障の追加はできないということです。

診断後に新たに加入したい場合と、診断前からすでに加入している場合とでは、状況が大きく異なりますので、まずは現在加入している保険・共済の契約内容を改めて確認してみることをおすすめします。

まとめ

難病と診断されたからといって、突然すべての選択肢がなくなるわけではありません。加入できる保険や、現在の契約を継続できる可能性もあるため、まずは正しい情報を確認し、自分に合った方法を検討することが大切です。

当ブログでは、指定難病の医療費助成制度や、受給者証を提示することで割引などのサービスを受けられる施設についてまとめた記事なども掲載しています。あわせてご覧いただき、制度を上手に活用しながら治療や生活に役立てていただければ幸いです。

参考文献

※本記事は筆者の実体験と一般的な情報をもとに執筆したものです。症状や治療については医療機関にご相談ください。また、保険・共済の詳細な加入条件や保障内容については、各保険会社・共済団体へ直接お問い合わせください。

kiroku

このブログでは、私が家族性地中海熱(FMF)と診断されるまでの経過や検査、医療費、難病申請の手順などについて、実体験を整理しながら情報をまとめています。
医療従事者ではなく難病当事者の記録として、同じように苦しんでいる方や、そのご家族の参考になれば幸いです。

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