医師から「詳しく調べるために造影CTを受けましょう」と言われたとき、具体的にどのような流れで何が行われるのか、不安に感じる方も多いかと思います。
特に造影剤を使う検査は食事制限や同意書への署名などもあるため、戸惑う場面が多いのが実際のところです。
この記事では、私自身が「繰り返す不明熱の原因」を調べるために受けた造影CTの体験をもとに、
- 検査前の準備
- 当日の流れ
- 副作用のリスク
- 実際にかかった費用
などについて、できるだけ具体的にまとめています。
これから検査を控えている方にとって、一つのシミュレーションとして、また心の準備の材料として参考になれば幸いです。
結論:この記事のまとめ
この記事の内容をまとめると、以下の通りです。
- 検査前は絶食が必要(誤嚥防止と画像精度の向上)
- 造影剤注入時に「全身が熱くなる」独特の感覚がある
- 副作用のリスク説明と同意書への署名がある
- ルート確保に時間がかかる場合もある
- 3割負担での費用目安は10,000円〜15,000円程度
それでは、各項目について詳しく書いていきます。
造影CTとは?(検査の仕組み)
造影CTとは、X線を用いて体の断面を撮影するCT検査に、血管や臓器をより鮮明に映し出すための「造影剤」を併用する検査です。
造影剤を静脈から注入することで、血流や臓器のコントラストが強調され、腫瘍・炎症・血管の異常などをより正確に評価することができます。
特に、単純CT(造影剤を使用しないCT)では判別が難しい小さな病変や、血流の変化を伴う異常の検出に優れており、がんの有無や炎症の広がり、血管の詰まり・拡張といった状態を詳しく調べる際に用いられます。
事前の準備:注意事項
造影CTを受ける際、最も気をつけなければならないのが食事の制限です。
今回、病院から事前に渡された書類には「造影剤を使用する場合、検査の6時間前から食事は摂らないでください」と明記されていました。これにはいくつか理由があります。
1. 嘔吐による「誤嚥(ごえん)」を防ぐため
造影剤の副作用で一時的に吐き気を催す方が一定数いるようです。
もし胃の中に食べ物が残っている状態で吐いてしまうと、吐瀉物(としゃぶつ)が誤って気管に入り、窒息や誤嚥性肺炎を引き起こす危険があるため、胃を空っぽにしておくことで万が一気分が悪くなっても重篤な事故を防ぐことができる、という理由だそうです。
2. 画像をクリアにするため(特に腹部CT)
胃や腸に食べ物が残っていると、それが画像上で邪魔をしてしまい、診断の妨げになることがあるようです。
・コントラストの確保
食べ物や消化中のカスが、本来見つけたい病変(腫瘍や炎症)と重なって見えにくくなるのを防ぎます。
・胆のうの観察
食事を摂ると、消化のために「胆のう」という臓器が縮んでしまいます。胆のうをしっかり膨らんだ状態で詳しく観察するためには、絶食が必要とのことです。
3. 副作用への対応をスムーズにするため
非常に稀ではありますが、造影剤による重いアレルギー症状(ショック症状など)が起きた場合、緊急処置が必要になります。
胃が空の状態であれば、麻酔や救急処置が必要になった際も迅速かつ安全に対応できます。

水やお茶などの水分摂取については制限がありませんでしたが、検査直前の食事は控える必要があります。当日の注意事項については、病院から渡される指示書を事前にしっかり確認しておくことが大切です。
造影剤を使用しない「単純CT」の場合、頭部・胸部・股関節の撮影については食事制限がないようですが、腹部・骨盤腔の撮影では6時間前から食事を摂らないようにと注意書きがあります。これは病院によって異なる可能性があるため、事前に医師またはスタッフに確認しておきましょう。
また、定期薬の服用についても、
- 少量の水で服用してください
- 血糖降下剤は当日の朝から服用しないでください
- インスリン注射を使用している方は医師に確認しましょう
という注意書きがありました。
該当する方、不安な方は主治医に確認しましょう。

同意書への署名と副作用のリスク
予約時または検査当日、造影剤による副作用のリスクについての同意書へサインを求められます。
今回、この記事を作成するにあたって詳しく調べてみたところ、副作用の主な症状と確率は以下のようになっていました。
| 副作用の程度 | 発生頻度 | 症状の例 |
|---|---|---|
| 軽度 | 約0.2–3% | 吐き気、一過性のじんましん、かゆみ等 |
| 中等度 | 約0.02–0.4% | 激しい嘔吐、広範囲のじんましん、顔面浮腫等 |
| 重度 | 約0.004–0.04% | 呼吸困難、血圧低下、意識障害、アナフィラキシー等 |
低確率ではありますが、リスクがゼロではないという事実に直面すると、やはり緊張を覚えるものです。
私の場合、当時は原因不明の高熱を繰り返しており、「一体自分の体はどうなってしまったのか」という漠然とした不安の中にいました。
心身ともに消耗していた時期だったこともあり、副作用のリスクが並ぶ書類に署名する行為は、弱った自分には少し荷が重く感じられました。
ルート確保のプロセス:2時間に及ぶ苦戦
造影CTでは、造影剤を注入するための点滴ルート(血管確保)が必要になります。通常であれば数分で終わる工程ですが、今回はここで予期せぬ時間を要することになりました。
体調の悪さに加え、毎月繰り返す高熱に対する不安や絶望感でメンタルもかなり疲弊していたためか血管がなかなか出ず、
- 1人目の看護師さん:2回失敗
- 2人目の看護師さん:2回失敗
- 3人目の看護師さん:1回失敗
そして、最終的にその場で一番のベテラン看護師さんが代わってくださり、軽く雑談をしながらあっさりと成功させてくれました。
途中で休憩を挟んだりしたため、結果的にルート確保だけで2時間近くを費やすことになりました。
💡服装に関するアドバイス
採血や点滴をする時と同じように、腕を出しやすい「袖口にゆとりのある服」で行くのがいいでしょう。金属(ボタン、ファスナー、ワイヤー)のないインナーを着用していくと、着替えの時間を短縮でき、よりスムーズに検査に臨めます。
造影剤の感覚:体の中に広がる熱感
いよいよ検査室に入り、装置に横たわります。
「痛かったらすぐに言ってくださいね」と言われ、造影剤が注入されると、独特の感覚が全身を駆け抜けました。
痛みはありませんが、胸の下あたりから下腹部、そして手足へと「じんわりとした熱」が広がっていく感覚です。特に下半身に強い熱感を感じるため、一瞬「漏らしてしまった?」と錯覚するような不思議な感覚でした。
あらかじめ「体が熱くなりますよ」と説明を受けていたのでパニックにはなりませんでしたが、もし予備知識がなければ驚いていたかもしれません。
実際の撮影自体は数分程度で、あっという間に終了しました。
※この熱感は、造影剤が血管内を一気に流れることで血流が拡張されるために起こる生理的な反応だそうです。
検査終了後の経過と消耗
検査が終わると、急な副作用(アレルギー反応など)が出ないかを確認するため、しばらく院内で待機することになります。
私の場合、造影剤による直接的な副作用は何もありませんでした。しかし、約2時間にわたるルート確保のやり直しに加え、初めての検査に対する緊張などが重なり、すべてが終わった頃には精根尽き果てていました。
検査そのものは短時間で終わるものですが、状況によっては、そこに至るまでのプロセスで心身を削られることもあります。
「当日はできるだけ後の予定を入れず、時間に余裕を持っておくこと」をおすすめします。
検査の結果
検査から数日後、主治医から画像診断の結果について説明があり、臓器の炎症状態などについてのレポートを渡されました。(画像参照)
という内容で、診断は
「熱源となりそうな明らかな病変は指摘できません」
という結果でした。

私の場合、この段階では「明らかな腫瘍や、急を要する器質的な異常(目に見える臓器の欠損や変形など)」は見つかりませんでした。
しかし、不明熱の原因を特定するための「消去法」として、この検査データは非常に重要な役割を果たしてくれたと感じています。
検査費用(保険点数)
最後に、費用についてです。造影CTは通常のCTよりも項目が多く、その分費用も加算されます。
| 項目 | 保険点数 | 備考 |
| CT撮影料 | 約560点 〜 1,020点 | 機器の性能(列数)により変動 |
| 造影剤注入手技料 | 約150点 〜 300点 | 造影剤を静脈から注入する際の手技料 |
| コンピューター断層診断料 | 450点 | 医師による読影・診断料 |
| 薬剤料(造影剤) | 実費(薬価) | 使用する薬剤や量により数百〜千数百点程度 |
これらに加え、医療機関によっては「画像診断管理加算(100〜340点)」や「電子画像管理加算(60点前後)」などが追加される場合があります。
3割負担の場合、窓口での支払額はおよそ10,000円〜15,000円程度が目安(検査部位や病院の設備、造影剤の量などにより変動します)とされています。
私の場合、同じ日に他の検査もあったので支払額は2万円オーバーでした。

まとめ
造影CTは、食事制限や副作用への不安、そして今回のようにルート確保での苦戦など、当事者にとって楽な検査とは言いきれません。
しかし、自分の体の中で何が起きているのかを客観的な画像で知ることは、適切な治療や診断への大きな一歩になります。
事前の準備を整え、当日は時間に余裕を持って臨むことで、少しでも皆さんの不安が和らぐことを願っています。



