はじめに
国の指定難病である家族性地中海熱(FMF)と診断される1年4ヶ月前、私は原因不明の高熱発作を初めて経験しました。
当時はまだ病名を知らず、「風邪などの感染症にかかったのかも」と考えていましたが、後から振り返るとFMFの典型的な発作症状で、私の平熱は36.2℃前後ですがこの時は一気に40℃を超える急激な変化を見せました。
この記事では、2022年10月に起きた最初の発作を、当時のメモをもとに時系列で整理しています。同じように周期性の発熱で悩んでいる方の参考になれば幸いです。
※本記事は個人の体験記録です。医療的判断を示すものではありません。
1日目:2022年10月16日
4:30
とてつもない悪寒と身体の震えで目が覚める。
体温は38.2℃
震えが大きくてコップの水を飲むのも難しい。
5:00
震えは止まったが体温は40.3℃まで上昇。
ロキソニンを服用し横になる。
7:00
体温は37.8℃まで下がった。
全身の強い倦怠感があり、食欲は全くない。
12:00
腹痛と下痢が出現。頭痛もあり。
体温は38.4℃
ロキソニンの効果が切れた様子。
21:00
体温39.6℃まで再上昇。
膝や股関節の痛みあり。
ロキソニンを服用。
23:30
体温37.5℃
この後は少し眠れた。
家族性地中海熱(FMF)の発作は、一般的な風邪のような「じわじわ上がる熱」ではなく、急激な「悪寒戦慄(ガタガタ震えるほどの寒気)」から短時間で40度近くに達するのが特徴のようです。これは体内で一気に炎症性サイトカイン(IL-1βなど)が放出されるためで、私の体感としても「普通じゃない上がり方」でした。
※このIL-1βが作られるプロセスそのものを未然に防ぐのがコルヒチン(予防)であり、出てしまったIL-1βを直接ブロックするのがイラリスなどの生物学的製剤の役割です。
2日目:2022年10月17日
6:30
体温38.1℃
倦怠感と関節痛が強い。
頭痛(頭重感)あり。
9:00 総合病院を受診
発熱患者はプレハブに隔離され、まず新型コロナとインフルエンザの検査。
結果は陰性。
当初は解熱剤の処方のみで終了予定だったが、血液検査を依頼し採血。
血液検査結果
CRP(炎症反応)と白血球数の上昇がみられたが「全身状態は比較的保たれている」とのことで原因の特定には至らず。
腹痛があることから虫垂炎の可能性も指摘されたが緊急性は低いとされた。
支払いは3割負担で約4,500円。
ロキソニンやカロナールは自宅にあったため処方は辞退した。
14:00
体温38.3℃
倦怠感と関節痛は持続。
腹痛はあるが下痢は止まる。
20:00
体温37.6℃
強い寒気。発熱前の感覚。
21:00
体温39.5℃
体温が一気に上がっていく段階が最もつらいと感じる。
ロキソニンを服用して就寝を試みるがなかなか眠れない。
当時は数値の意味をわかっておらず後から知ったのですが、この時の「CRP 9.19」は、中〜重度の細菌感染症(肺炎、腎盂腎炎、敗血症など)や大きな手術後、重度の外傷、心筋梗塞、悪性腫瘍の進行などでみられる数値で、10を超えると非常に重篤な状態(高度陽性)とみなされる深刻なラインだということです。
ちなみに、コルヒチン服用で症状が安定している現在の数値(平常時)は「0.01以下」です。この 「900倍以上もの落差」 こそが、FMFという病気の凄まじさを物語っています。発作が起きている時だけ、体の中で「爆発的な火事」が起きている状態なのです。
3日目:2022年10月18日
4:00
体温36.8℃
いつの間にか眠っていた。
関節痛などの症状はほとんど消失。
ただし頭重感と強い倦怠感が残る。
11:00
38.4℃まで再上昇。
様子見のためにロキソニンは飲まず。
17:00
37.1℃
20:00
36.6℃
その後、熱が再び上がることはなかったが、倦怠感は約3日間続いた。
FMFの最大の特徴は、これほど高い熱が出ても、多くの場合は1〜3日で「嘘のように平熱に戻る」ことです。細菌感染なら抗生剤なしではなかなか下がらないみたいですが、FMFは自分の免疫系が勝手に暴れて、勝手に収束します。この「短期間での自然軽快」が、ただの風邪と見過ごされ、診断に時間がかかる原因にもなっているようです。
この発作の特徴
- 急激な悪寒から始まる
- 短時間で40℃前後まで上昇
- 解熱後に再上昇を繰り返す
- 腹痛・下痢を伴う
- 股関節・膝などの関節痛
- 約3日間で自然軽快
当時は単発の感染症だと思っていました。
しかし約1ヶ月後、ほぼ同じ経過の発熱が再び起こることになります。
この最初の発作は、後から振り返ると典型的な経過でした。
もし今、同じ症状で悩んでいるなら:主治医への伝え方
私の経験上、ただ「熱が出ました」と伝えるだけでは普通の風邪などと区別がつきにくいので、受診時には以下のメモを持っていくことを強くおすすめします。
- 体温の推移や発熱のピークまでの時間:
短時間で一気に上がって、どれぐらいで下がって、何回繰り返して、何日で解熱したのか。 - 腹痛や関節痛などの随伴症状の有無:
熱と同時に現れたのか、前兆はあったか、どこが痛くてどこが辛いか、解熱後も続いたのか。 - 発作の周期:
もし何度か繰り返しているなら、今が何回目で、周期はどれぐらいで、症状は同じなのか変化があったのか。
こうした「記録」に基づいて説明すると、普通の風邪や感染症ではない可能性が検討されやすくなると思いますし、限られた診察時間内で「言い忘れた」「言い出せなかった」という事態の防止にもなるかと思います。
手書きでも、アプリでも、とにかくできるだけ細かく記録を残しておくことをおすすめします。




