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【体験談】家族性地中海熱(FMF)とは?33歳で発症した私の症状・診断・治療・医療費まとめ

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33歳のとき、突然始まった周期的な発熱

最高体温は40.3℃。
平熱36.2℃の私にとっては、まさに異常事態でした。

発症から約4ヶ月後に「家族性地中海熱(FMF)」という疑い病名が浮上。

さらに1年後、正式にFMFと診断されました。

この記事では、私自身の体験をもとに

  • 症状の特徴
  • 診断までの流れ
  • コルヒチン治療の実際
  • 医療費と助成制度

についてまとめています。

不明熱や周期発作で悩んでいる方の参考になれば幸いです。

受給者証と管理票

※本記事は筆者の実体験と一般的な情報をもとに書いています。医学的助言を目的とするものではありません。

家族性地中海熱(FMF)とは

家族性地中海熱は、免疫システムが誤作動を起こして体に炎症を引き起こす「自己炎症性疾患」の一つで、Familial Mediterranean Fever の頭文字から「FMF」と呼ばれています。

主に遺伝子の変異が原因とされていますが、遺伝子検査で変異が認められない場合でも、繰り返す高熱や腹痛などの特徴的な症状(臨床症状)に基づいて診断されます。

日本のFMF患者の3~4割は変異無し、もしくは病因的意義が不明なバリアント(変異はあるが、これが直接的な原因なのか断定できない)と判定されているそうです。そのため、「臨床症状がFMFそのものならFMFと診断する」というのが日本の診療ガイドラインのルールになっています。

日本では難病(指定難病266)に指定されており、医療費助成の対象となっています。

最大の特徴は1〜3日ほど続く38℃以上の高熱と、それに伴う腹部・胸部の痛みや関節炎などが「周期的に」繰り返されることです。

感染症ではないため抗生物質(抗菌薬)は効かず、発作がない時期は至って健康に過ごせることから、診断がつくまでに「原因不明の知恵熱」や「仮病」と誤解されることも少なくないそうです。

根本的な完治は難しいものの、患者の多くはコルヒチンという薬を継続して服用することで発作の頻度や重症度を抑えることができると言われています。

また、適切な治療を続けることは、将来的な合併症である「アミロイドーシス」を防ぎ、生活の質を維持するために非常に重要とされています。

私の症状の特徴

私の場合は33歳で発症し、約1年4ヶ月の「原因不明の期間」を経て、34歳で診断が確定しました。

  • 発作の頻度
    約4〜5週に1回

  • 発作の始まり方
    強い悪寒
    身体の震え(シバリング)
    そこから急激に高熱

  • 最高体温
    40.3℃(平熱は36.2℃)

  • 随伴症状
頭痛腹痛
筋肉痛倦怠感
胸背部痛関節痛

教科書には「2~3日ほどで熱が下がる」などと書かれていますが、実際には熱が下がった後も関節痛やひどい倦怠感が残り、日常生活に戻るにはもう2〜3日必要です。「熱が下がれば即元気」というわけではないのが、この病気の辛いところです。

詳しい発作の経過は、以下の記事にまとめています。
→【発作1回目の詳細記録
→【繰り返す発作の共通パターン

診断までの流れ

はじめは虫垂炎や感染症などが疑われ、

  • PCR検査
  • 血液検査
  • 尿検査
  • 単純CT
  • 胸部レントゲン
  • 血液培養
  • 造影CT
  • 心臓エコー

などを実施。

しかし、明らかな「熱源」は見つかりませんでした。

血液培養や造影CTなど、これだけの精密検査を受けて「異常なし」と言われるのは、本来なら喜ぶべきことかもしれません。でも、当時の私は「じゃあこの40度の熱は何なの?」と、原因が見つからないことへの絶望感でいっぱいでした。


そんな中で初めて測定されたのが、血清アミロイドA蛋白(SAA)です。

これは体内で炎症やウイルス感染などが起きたときに肝臓で急激に作られる「急性相反応蛋白」の一種で、悪性腫瘍、リウマチなどの膠原病、自己炎症性疾患などで高値を示すことがあり、診断や病勢の指標として重要な項目とされています。

私の検査結果は 214.1 μg/ml でした。
(基準値は 3.0μg/ml 以下)

そして、ここで初めて「家族性地中海熱」という疑い病名が提示されました。

詳しくはこちらの記事で書いています。
→【精密検査の結果とFMFが疑われた経緯
→【血清アミロイドA蛋白(SAA)とは?

コルヒチン治療の実際

現在はコルヒチンを1.0mg/日(朝夕1錠ずつ)内服しています。

一時は2.0mg/日 まで増量しましたが、激しい下痢の副作用により継続できませんでした。

服用後の変化

コルヒチンを服用後、発作の周期はそれまでと変わりませんでしたが、高熱の頻度は明らかに減少しました。

現在では、半年に一回程度の「39℃以上の高熱が出る重い発作」と、それ以外の月の「高熱は出ないがその他の症状は変わらない発作」の2種類に分かれるようになりました。

定期検査時の血清アミロイドA蛋白(SAA)は基準値内の 1.0〜2.0 μg/ml未満 で落ち着いています。

今の私にとってコルヒチンは「完全に発作を止める薬」ではなく、「高熱の頻度を減らす薬」 という位置づけです。

コルヒチンについてはこちらの記事で詳しく書いています。
→【コルヒチンの用量調整と副作用の体験談

医療費と指定難病の助成

高額な医療費のスクリーンショット

診断までの検査費用は高額で、一回の支払い額が一番高かったときは3割負担で21,717円でした。

現在は特定医療費(指定難病)受給者証を取得し、

  • 自己負担:3割 → 2割
  • 月の自己負担上限:20,000円

となっています。

通院は2ヶ月に一度の定期受診のみで、「発作時」ではなく「予約ベース」で受診しています。

費用は2割負担で

  • 診察+採血・尿検査:約3,000円
  • コルヒチン2ヶ月分:約500円

ぐらいの支払いになっています。

この金額だけ見ると高額ではありませんが、助成によって最も大きいのは「もし悪化して高額な治療が必要になった場合でも、窓口での支払い上限額が決まっている」という安心感です。

医療費の詳細や難病申請についてはこちらの記事で詳しく書いています。
→【指定難病の医療費助成を実際に受けて感じたこと

家族性地中海熱と向き合うということ

FMFの治療の本質は「発熱をなくすこと」だけではなく、繰り返す炎症を少しでも抑え、アミロイドーシスなど長期的な合併症を予防することにあるのだと思います。(※アミロイドというタンパク質が臓器に溜まり、機能低下を引き起こす合併症)

目の前の発熱に効いている/効いていないの二択だけではない、将来の身体への負担を少しでも軽くすることも、この病気と一生向き合っていくために重要な課題です。

おわりに

私が診断に至るまでの約1年4ヶ月間で辛かったのは、「検査結果に表れない体の不調を誰にも信じてもらえないのではないか」という不安でした。

「原因不明」が並んだ検査結果と紹介状を手に、すがる思いで受診した大学病院で「気持ちの問題だよ」と言われたこともあります。とても悔しくて、本当に悲しくて、この時のことは今でも時々思い出します。

すぐに診断がつかないことも多い希少疾患だからこそ重要になってくるのが、コツコツと積み上げてきた「検査データ」「体調の記録」です。

今まさに不安の中にいる方には、体温や症状の変化を細かく記録しておくこと、そして一見無駄に思える「異常なし」の検査結果も大切に保管しておくことをおすすめします。


原因不明の発熱を繰り返している方が検索からこの記事にたどり着いたなら、「こういう病気もある」という一つの情報として、参考になれば幸いです。

※本記事は筆者の実体験をまとめたものです。医学的助言を目的とするものではありません。症状や治療については、必ず医療機関にご相談ください。

kiroku

このブログでは、私が家族性地中海熱(FMF)と診断されるまでの経過や検査、医療費、難病申請の手順などについて、実体験を整理しながら情報をまとめています。
医療従事者ではなく難病当事者の記録として、同じように苦しんでいる方や、そのご家族の参考になれば幸いです。

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